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意外と求人が多い社労士事務所 [転職]

「リクナビ」やら「マイナビ」を眺めていたら、社労士事務所の求人が思った以上に多いです。有資格者はもちろん「勉強中の方も歓迎」なんて書いてある。


「無給でもいいから修行させてくださいっ」というのがフツーなのかぁと思っていたら、そうでもないようです。


こんなサイトも見つけました。ヒビコレ。「社労士の求人転職サイト」と銘打つだけあって、これでもかってくらい社労士事務所の求人があります。社労士に特化するくらいですから、よほど需要があるのでしょう。


待遇はどこも似たようなもので、未経験で月20万弱、経験者で月25万~30万円で、年収ベースだと賞与コミで350万円から400万円といった数字が躍っています。学校出たてのスタートラインとしては悪くない待遇ですが、すでに社会人経験のある30代、そして私のような40代キャリアチェンジは大幅な年収減を覚悟しなければなりません。


驚くのが、社員募集をかけている社労士事務所の所長さんのお若いこと。30代とおぼしき代表社員が人を雇えるようになるなんて、ずいぶん早くからがんばったんだなぁと感心しきり。


何人かの社労士先生に話を伺う機会がありました。「実は仕事はある。すでに顧問契約の申込みを断っている」「安部総理のおかげで雇用環境が良くなっている反面、社労士事務所みたいな小規模な事務所には人が来ない」「今はどこの事務所も人材難だと思う」「仮に来たとしても数年前よりも応募者のレベルが低い」と。


じゃぁ、もっと給料を上げればいいんじゃないですか?


「今の従業員に払っている給料とのバランス」「3号業務が利益率がいいんだが、そんなにポコポコあるわけではなく、給与計算や手続き業務のような地味かつ薄利業務が基本」のため、高額オファーも慎重にならざるを得ない。


3号業務や給与計算は社労士事務所でなくてもできるからライバルは多いし、これから先、電子化だのクラウドだのAIだの業務スタイルがどんどん変わっていくと予想される中で、あまり高額な人材を固定費として抱えておくのは怖い。


まぁ、社労士事務所に限らず、「会社経営」という観点でごくごく自然な思考です。


それにしても、みなさん、若いころから事業を立ち上げてがんばってたんだなぁ。私の20代、30代なんて、目の前の仕事をこなすのに精一杯でした。早くに試験勉強をして、独立して、人を雇えるようにまでなる。たいしたものです。


今、社労士試験の資格取得を目指している方は、「何のために取るのか」「取った後、どうするのか」という「出口戦略」を見据えておくべきです。


もし、あなたが40代過ぎなのであれば、現時点で資格がなくても社労士事務所に採用してもらえる「実務能力」と、20代なみの年収でも耐えられる「経済力」があることが必要です。いくら雇用環境が良いといっても、社労士事務所に限らず、40オーバーの人たちにゼロから仕事を教える余裕は彼らにはありません。もう、一足飛びに「開業」して「一人OJT」をまわすしか道はないでしょう。


ゆめゆめ、「資格を取って人生を変える!」などと思ってはいけません。「人のプロ」である社労士を目指すのであれば、「人を雇う側」の心理状況もおもんぱかる必要があります。資格は、今まで積み上げてきたキャリアを、「権威」によってちょっと見栄えを良くする程度に思っておくべきです。


私も中途採用者の面接の場に立ち会うのでよく分かりますが、採用側が見たいのはこの3点。

「長く働いてくれるか」
「求める能力が備わっているか」
「今の従業員と仲良くやってくれるか」

いくら求人広告に「未経験可」「年齢不問」と書いてあっても、「人材」という高額な買い物をしようとする採用者はこの3点を意識しないはずがありません。もう、「独立開業のために修行させてください!」とハッキリ言ったほうがいいでしょう。


一方で20代の受験生のみなさん。あなた方は「大企業志向」「安定志向」には目もくれず、とても有望な「金鉱脈」を見つけられました。試験勉強と同時に実務経験をがむしゃらにやりつつ、独立開業を見据えて経営者的な視点を学ぶことも忘れないでください。


30代の受験生のみなさんは、いったんご自身のキャリアをたな卸ししたほうが良いかもしれません。確かに社労士事務所の給料は20代ではそこそこのようですが、劇的に上昇カーブを描いていくものではないようです。生活の向上=報酬アップを目指すのであれば、単に作業者としてではなく「3号業務」をこなせる「コンサルタント」としての能力が求められます。


人に指導するくらいですから、まずご自身がそれを実現できているのか。必要な知識が備わっているのか。「この人の言うことなら聞いてみよう」と思えるようなキャリアを積んでいるか。わが身を振り返ってみてください。あるいはとっとと独立開業を目指すか。もう、時間はありません。


私の場合、社労士を目指していたわけではないので、この「当たり前の事実」に「そりゃそうだよな」と納得。40代も半ばにさしかかろうとした労務管理業務未経験者が入る世界ではないなと、自分の役割を再認識しました。


どういうわけか、書類選考はかなりの確率で通過したのですが、すべてご辞退申し上げ、社労士事務所の求人案内のサイトを、そっと閉じる・・・そんな1月でした。



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