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管理職が幹事をやる忘年会 [なんでもないこと]

忘年会シーズンです。みなさんの会社では忘年会の幹事はどのような方がされますか。新入社員?若手?宴会部長?


数年前、ある組織の部門長であった私は、「管理職が幹事をやる忘年会」を開きました。


「今日は1年の疲れを忘れてパァーッと騒いでください」としか言わない管理職のあいさつに、部下諸君は辟易しているんだろうなぁとずっと思っていました。そんなに部下をねぎらいたいならお前らが全部企画しろよ、と。忘年会の幹事は大変な仕事なのです。


いつか部門長になったら、1日だけ部下に仕える管理職として幹事をやろうと胸の内に秘めていました。ようやくその時が来て、部下の前で「幹事宣言」。組織内の他の管理職で会場手配、会計、企画立案を手分けし、私はコンセプト作りと司会進行を担当しました。


コンセプトは「自分がされたい忘年会をやる」。サブコンセプトに「部員に楽しんでもらうこと」「部員同士の交流が深まること」「部員の新しい一面が見られること」とぶちあげました。


仲良し同士で固まらないよう、会場は全席指定席。事前アンケートでやや強引な性格分析し、似た傾向の者同士をグルーピングしてひとつのテーブルに固定。そのテーブル単位の団体戦を基本としたゲームを行い、ガチンコクイズも織り交ぜて個人でも競わせます。賞品は1点豪華主義とし、当時出だしたタブレット端末各種をズラリとそろえました。


会は大いに盛り上がり、個人戦の1位から3位が順当に決定。団体賞も決まりました。ところが困った事態が発生します。団体賞のチームに個人戦の2位と3位の受賞者も入っていたのです。できるだけ多くの部員に賞品を行き渡らせたい思いから、もともと重複受賞はしない方針だったので、賞品が2つ余ってしまった・・・


司会である私はしばし考えました。団体賞の賞品は今日のところは目録を渡すだけで、これから発注する(発売前の新製品だった)。そもそも2つ余ったことは参加者は知らない。やや足が出ている予算状況で不足分は管理職が補填することにしていたし、ここでゲームを止めれば予算内に収まるかも・・・


数秒後、私は参加者を前にこう、言いました。「おっと、ここに商品が2つ残っていましたよ~。敗者復活戦、行きまーすっ」


会場は大盛り上がり。そんな横で会場担当の幹事が私の耳元でささやきます。


「あと5分でここを出なければなりません」


なんだよ、そんなこと早く言えよ~


すでに賞品を獲得した人以外、約20人からたった2人を絞らなければいかなくなってしまった。しかも5分で。まだ締めのあいさつも残っているというのに・・・


せっかくここまで実力勝負で受賞者を決めたのに、最後になってジャンケンで決めるのは面白くない。ええいままよと、私は手元にあるクイズリストからこの問題を読み上げました。


「労働基準法によれば、使用者は1日の労働時間がどんなに長くても、休憩時間は1日1時間を与えれば良いとされている。マルかバツか」


なんとマルを選んだのがたったの2人。


答えを発表して参加者は大いに驚き、その大興奮状態の中で三本締めをして終了。時間ピッタリにお開きとなったのです。ありがとう、労働基準法~


会場出口では私たち管理職が立ち並び、部下諸君をお見送り。笑顔で会場を後にしてくれる姿を見て、心からの達成感を得ました。また明日から元気に働いておくれと彼らの背中に視線を送りながら。


「大丈夫、安全配慮義務によって長時間労働なんかさせませんから」と、最後の問題に補足することは忘れてしまいましたが。



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