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年アド受ける? [年金アドバイザー]

3月になれば年金アドバイザーの試験があります。申込み期限は来週1月18日水曜日、23時30分。

≪銀行業務検定協会ホームページ≫
http://www.kenteishiken.gr.jp/


社労士受験生にとっては年金各法の腕試し、あるいは知識をつけるための機会として位置づけられることが多いですが、はたしてどうでしょうか。


受験料、テキスト代、当日の試験会場までの交通費等を考えると、おおむね1万円前後の費用がかかります。いくら社労士の勉強で年金2法をやっているからといって、その知識で年アドに立ち向かえるというものでもありません。試験直前になれば年アドに特化した勉強はそれなりに必要です。つまり、その時間は社労士試験に向けた勉強はできません。そこまでやる価値があるか・・・


年アド3級を1回、2級を3回受験した私(いずれも合格です。念のため・・・)の見解は「悩むくらいなら受けないほうがいい」。


まずは受験のメリットを。法改正に対応した問題形式に早く触れることができます。昨年は被用者年金一元化法や年金額計算時の端数処理の変更に対応した問題が出題され、理解を新たにした記憶があります。確かに改正情報としてこれらの変更は知っていましたが、問題としてどうやって出題されるのか、また、実際に自分の知識で正しくアウトプットできるのかがおおいに試せます。知識はインプットの時よりもアウトプットの時に定着するものです。


仮にここで失敗しても良いのです。ゴールは社労士試験の合格。年アドでの失敗が深く心に刻まれるほど記憶に残り、逆に社労士試験で同じミスをすることはないでしょう。


また、最近の社労士試験で増えてきた事例問題の練習に使えます。年アドでは「昭和○年△月×日生まれのE夫さんが63歳で退職するが、その後70歳まで関連会社で勤務できる予定である」という前提のもと、退職前の給与・賞与額と、退職後関連会社に勤めた時の給与・賞与額、それに退職時における年金額が示され、

「在職老齢年金の受給月額を算出せよ」
「高年齢雇用継続給付が受給できる理由を説明せよ」
「高年齢雇用継続給付を受給した場合、年金はどのように調整されるか説明せよ」

なんて聞いてきます。実際は「算出してください」「説明してください」と、ていねいに聞いてくるのですが、やさしい顔してけっこう厳しいことを聞いてきます。もちろん、これは年アド2級の出題形式であって、年アド3級であれば5つの選択肢の中から正しい答えを選ぶことになります。


いかがですか?社労士試験の過去問であれば簡単に解けそうな問題であっても、こうやって聞かれたら本当の知識が試されますよね。実際、平22年の選択厚年では在職老齢年金の額や高年齢雇用継続基本給付金受給時の年金の停止額が出題されています。平成27年の択一国年では、平成21年4月からの国庫負担割合の変更を論点にした老齢基礎年金の計算式が出題されましたが、これは年アドではド定番の問題であったため、年アド受験経験者であれば選択肢を見て3秒で答えが出せます。


選択式でも択一式でも、事例問題や計算問題が多く出題される傾向にある中、年アドはうってつけの予行演習であるということは確かです。


もうひとつのメリットととして、社労士試験でのうろ覚えの知識がビシッと決まるという点があります。これは2級に限った話ですが、支給要件や受給時の注意点を「箇条書きで」あるいは「簡潔に」、「説明してください」という問題があります。全部、自分の言葉で表現しなければなりません。


真っ白な解答用紙に自分の言葉で書くんですよ。これは骨が折れる。


でも安心してください。過去の出題形式からあらかた問われる内容は決まっていて、それをしっかり覚えておけば良いのです。私の場合、解答パターン一覧を作っておき、ひたすら暗記しました。そのおかげで、社労士試験の勉強のときにはうろ覚えだった知識に、しなやかだけとビシッと、竹のような筋が入った気がしました。


中高齢寡婦加算が支給されるのかどうか、寡婦年金が支給されるのかどうか、事後精算の仕組みはどういうものか、繰上げ受給をした時の注意点は何か等々。問題事例に即した具体的な期間や条件を明示した上で「書け」と言われたら、普通書けません。でも、過去の模範解答をしっかり暗記して再現できれば良いだけですし、その結果として社労士試験の年金がラクに感じられるようになれば儲けもんです。


と、このようにメリットばかり書き連ねましたが、これらのメリットはちゃんと年アド試験に正面から向き合った場合に得られる恩恵。1月から3月の間は社労士試験に向けてじっくり腰を据えて勉強できる期間であり、年金以外の科目にまったく触れられない期間が生じる不安というのもあります。


最近の社労士試験において年金各法はやや得点源科目となりつつあり、年アド受験生でなければ取れないような問題は多くの受験生も落としています。なので、何も年アドで年金の勉強をしなくとも、普通に社労士試験向けの勉強をすれば良いと思います。


それより、ややこしくなりつつある労働関係科目にも力を入れるとか、白書統計をぼんやり眺めるとか、受験直前に「もっとやっておけば良かった」と思いそうなものことこそ、今の時期に取り組むべきかもしれません。


「白書統計なんて受験直前でいいのでは?」という意見もありますが、アウトプットに向けて総仕上げをしなければならない直前期に1科目だけインプットをするというはなかなかたいへんです。それに、白書統計はやればやるほど「あれもやってない、これもやってない」と不安にかられる恐ろしい科目です。なので、今のうちに「厚生労働白書」くらいを通読しておけば、直前期においても復習気分で、「あぁ、これ読んだことある」と、安心して立ち向かえるのではないでしょうか。


私ですか? いやぁ、もう受けません。申し込む時は「やるぞっ」という気持ちでも、試験直前になれば覚えなければならないことがいっぱいで鬱々とします。仮に受かったとしても、リアルな受給体験が無い中では何度受験しても血肉化しません(だから試験のたびに覚えなおさなければならないんでしょうね)。


実務経験が無い以上は机上の知識を広げるほうが良いと思っており、はやりのDC(確定拠出年金)プランナーにチャレンジしようかなと思っているところです。


それにしても、社労士試験に取り組むまでは年金なんてまったく未知の世界だったのに、どんどん年金の世界に進んでいるような・・・



コメント(2) 
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コメント 2

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ZEKE

年金アド2級 今年二回目予定です。
圧倒的アウトプット力がいりますよね。
去年2級を受けましたが、歯が立ちませんでした。
合格した2015年の社労士試験の年金2科目の難度が下がっていただけに、難しかったです。

社労士試験の勉強のために受けるのであれば、3級まででいいように思います。受験初年度に3級を受けて、社労士の勉強の手助けになりました。

しかし、2級となると社労士試験ではほぼ出ないであろう、一繰りの計算などもあって、準備に時間かかりますよね。

さて、今年は合格できるとよいのですが。

バロンさんは2級を三回も合格され、圧倒的ですね。。。
by ZEKE (2017-01-18 08:15) 

バロン

>ZEKEさん

私も一繰にはてこずりました。社労士試験の時はテキストに書いてある意味そのものがどうしても分からず、過去に出題実績も無かったことから放置していました。ですが、年アドで何とか乗り切ったために「経過的加算」の意味がよく分かり、社労士試験に役立ちました。とはいえ、年アドで社労士試験対策っていうのは、ちょっと効率が悪いですよね。
by バロン (2017-01-22 06:08) 




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