SSブログ

合格体験記は読む必要無い? [平28:7回目の結果]

いや、タイトルにちょっと語弊がありますね。「読んでもいいけど答えを求めてはいけない」といったところでしょうか。


不合格になれば、それが限りなく合格に近い選択1点オチであろうと、合格ラインをはるかに下回る不合格であろうと、合格者からは一緒くたに扱われてしまいます。


「合格者と不合格者を分ける理由は何だと思いますか? 圧倒的な努力をしたかどうかですよ」

「寝る前に『あと1問』を解いたかどうかですよ」

「あなたは本気で資格が欲しいと思っていないんですよ」


どうしてなんでしょう。数ある不合格パターンがあるにも関わらず「不合格者=堕落者」という前提のアドバイスをネット上でよく見かけます。


幸い、私のブログに寄せられるみなさんからのアドバイスは、あからさまに上から目線のものはありませんでしたが、それでもたまに「そんなんだから何度も落ちるんじゃないの?」という趣旨のコメントもありました。


確かに、合格ラインにかすりもしないような不合格であれば受け入れようがあります。ですが「あと1点」で落ちた身にとっては、このようなアドバイスは百害あって一利なし。読めば読むほど自己嫌悪に陥るというか、「これ以上、どうしろっていうんだっ」という思いで苦しくなります。


合格のためのアドバイスを必死に探し求めている受験生というのは、すでに合計点では合格基準点を上回っており、選択式でたまたま自分の知らない、あるいはうろ覚えの論点でミスってしまったとか、微妙な数値の違いを問うてくる統計問題でひっかかってしまったとかで不合格になった人たちであり、合格者が言うところの「圧倒的な努力」はしているはずです。


それでも、どこかに合格への答えがあるのではないかと「合格マニュアル」をあちこち探し回ってしまう。そんな私がたどり着き、腹落ちした言葉。


「同じことをやっていたら同じ結果になる」


1点オチという結果を変えるには、今の「何か」を変える必要がある。何かを変えることによって今までできていたものができなくなるリスクもある。だからといって新しい一歩を踏み出さねば同じ運命をたどる可能性が高い。もはや確率論の話です。


私がそれまでの6回の受験と、7回目の受験とで変えた点。

・勉強前に必ず飲んでいた栄養ドリンクを断った(糖質制限もして痩せた)
・勉強を理由に中断した毎晩の筋トレを再開した
・神頼みをやめた

ムスコは休日、勉強のため自習室に向かう私に「チオビタ」を渡すことが日課になっていましたし、受験勉強を始めるまで続けていた日々の筋トレは、そんな気分じゃなくなってやめていましたし、本試験当日の朝は、家を出る直前に我が家の神棚に向かって家族全員でお祈りしていましたし。


いや、たぶん決定的な要因ではないな。。。


7回目の受験でそれまでの受験とで決定的に違うこと。それは、過去1点オチとなった選択式の問題で、なぜ誤りの選択肢を選び、どういう思考回路に立てば正解肢にたどり着けたのかということ深く自己分析し、その経緯を紙に書きまくったこと。


努力の量を増やすことによって合格ライン近辺に到達することは可能だと思います。しかし、合否を分ける「あと1点」は、努力量ではカバーしきれない未知の問題だったり、見たことはあるけど正確に覚え切れなかった論点だったりするもの。そんなとき、誤りの肢を排除し、正解肢を絞り込む「思考回路」がわが身を助けます。


この「思考回路」、その人の知識量や受験歴、あるいは性格、人生経験によってもまったく異なってきますから、誰かが教えられるものではありません。合格への答えはネット上にはありません。すでにわが身の中にあるのです。


・・・という私の合格体験記も受験生にとっての「合格マニュアル」にはなり得ませんので、あしからず。



コメント(8) 

コメント 8

コメントの受付は締め切りました
KYS

某壊れかけブログの管理人です。
先日は弊ブログにコメントを下さりありがとうございました。

さて、合格体験記ですが、私もバロン様と同感でして、「読んでもいいけど答えを求めてはいけない」ものだと考えています。

合格体験記を書いた方々には失礼ですが、あくまでも結果論に過ぎず、後から何とでも言えることを書いているに過ぎません。
合格体験記は、合格"圏内"に入るエッセンスはあるかも知れませんが、合格を保証するものではないことを頭の片隅に入れておきながら読むものかな、と思います。

一方で、受験生として合格するまでの過程をリアルタイムで書き続けたバロン様の日記は、とても貴重な存在だと思います。
受験生の立場として、学習時のモチベーションの保ち方、心情の移り変わり、救済待ちのドキドキ感、救済されなかったときの絶望感、苦労して合格した時のうれしさ、全て生々しく書かれているのですから!
by KYS (2016-12-03 19:49) 

46歳 登録のみで業務未経験

私は4年前に5回目で合格しました。同じように2回選択で泣かされたので何とか選択式の初問題に対して現場で対応できるようになりたいと思い合格の年は全ての模試を受け、通常の授業と別に色々な予備校の直前講習を受けました。ある講師の説明で答えの根拠の出し方を教えてもらいその知識のおかげで現場対応問題を解く事が出来き、見事合格出来ました。その事が出来たのは合格への貪欲さやその講師に出会えた運とも言えます。ありきたりですが、とにかくあきらめない事なのかと思います。
by 46歳 登録のみで業務未経験 (2016-12-04 00:23) 

バロン

>KYSさん

おっしゃるとおり、ある人の合格体験記が受験生を「合格圏」に導いたとしても「合格」に導く因果関係はありません。それなのに、こと選択式に関しては「国語力が無い」「努力が足りない」と、社会性や人間性を否定するアドバイスが多いような気がします。せっかく合格圏にたどり着いた人たちがこういうアドバイスの前に心が折れてしまわないか、心配です。

KYSさんの「努力」に関する考察は、まさにわが意を得たりでした。アップされた日に一気に読了しましたよ。
by バロン (2016-12-04 10:21) 

バロン

>46歳 登録のみで業務未経験さん

合格した人は「選択式は運じゃない」と言いがちですが、私は「運が良かった」と思っています。ギリギリ落ちた不合格者と決定的に勉強量や知識量が違うだなんて、おこがましくて言えません。

ただ、そのめぐり合えるかどうかも分からない「運の良さ」に向けて努力を続けたことは、自分を褒めても良いのかなと。「あきらめない」ということも一種の能力なのかもしれませんね。ありがとうございました。
by バロン (2016-12-04 10:38) 

鯉のぼり

初めまして。最近こちらのブログを知り、過去の記事から読ませて頂きました。しゃろうざむらい先生のところで「パンダ」という名前で書いていた者です。

こちらのブログにおかれましては、何人もの投稿者の方がバロンさんに対し「私も境遇が似ています」と書かれています。それはバロンさんのお人柄と文章力の賜物かと思います。そういう私も、同じようにバロンさんと似ていると感じました。

私はバロンさんと同じく、平成22年度が初受験で、平成28年度にようやく合格できました。会場は同じく千葉会場でした。ただ、バロンさんと違うのは、私はいったん受験を諦めて平成25年度は受けませんでしたので、6回目の挑戦でした(平成25年度の選択労災の過去問を見ると冷や汗が出ます。仮に受けていたとしても、不合格だったと思います。)おそらく年齢も近いと思います。

前回の記事の「合格発表からすでに2週間。あれほど待ち遠しかった合格発表日は、過ぎてしまえば救済科目やら基準点やらの喧騒が潮が引くようにあっという間に消えてなくなり、月日の経過の早さに驚かされます。」というのもまさに同感でした。私は労一2点でしたので、救済が気になり、毎日某掲示板の「救済希望」のスレッドを見ておりました。終わってしまえば急に静かになってしまいましたね。

サラリーマンでして、独立開業の予定もありませんので、変わったのは、奥さんの私に対する見る目が少し変わった(笑)ことくらいかもしれません。いちおう資格を武器に、人事関連の部所への異動希望を出してみたところです。

また更新を楽しみにしております。では失礼します。

by 鯉のぼり (2016-12-04 16:48) 

バロン

>鯉のぼりさん

こちらのブログ、似た境遇、似た年齢、似た受験歴の方が多く訪れてコメントを残してくださっています。多くの方に役立てていただければと思います。

我が家の場合、あまりに合格までに時間がかかったせいか、妻の視線はあまり変わりません(涙)。しかしやはり合格すると、いろいろ視界が広がってきますね。ありがとうございました。
by バロン (2016-12-06 19:35) 

社労士

26年初受験、労一2点で不合格。
27年同じく労一2点で合格した社労士です。
やっぱり努力ですよ。
私の感覚からすると本試験択一50点に乗っかったら初めて合格への参加権が生まれるのだと思います。
そこから3~4回に1回は受かるんでしょう。
だから貴殿が特に運が悪い訳では無く切符の順番が後方だっただけです。
ところで折角受かった社労士ですが何か使い道が見つかりましたか?
by 社労士 (2016-12-08 07:55) 

バロン

>社労士さん

あとは択一50点の乗ってからの「3~4回に1回」のチャンスを待てるかどうかですね。択一50点台を維持するのも相当な努力が必要です。社労士資格ですが、もともと私は勤め先の今で言う「働き方改革」を主導したい思いをアピールするためにこの資格を取ったのですが、もっと外に目を向けていいかなと思い出しているところです。ありがとうございました。
by バロン (2016-12-11 06:08) 




インズウェブの自動車保険一括見積りサービス

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。